Salesforce開発 商談商品レコードを表計算ソフト風に編集するListEditorを使ってみた

2023-08-15

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商談商品など子供のオブジェクトの編集がやりづらい・・・

こんにちは。Salesforce開発に携わって5年になりますが、お客さまと要件定義などをやっているとよくぶつかる課題があります。

親子関係にあるオブジェクトにおいて、子供のオブジェクトの編集をする際、関連リストから1つ1つ子供のオブジェクトの詳細画面を開いて編集を行わなくてならないこと。

私:  「標準でやろうとするとこれしか方法ないんですよ・・・」
お客さま:「えー!なんとかなんないの??」
と眉をひそめて言われ、胃がシクシク痛む日々・・・。

それはそうですよね、お客さまの業務としては地味にロスが大きいと思います。
例えばで言えば、商談と商談商品が一番分かり易い例かと思いますが、商談の交渉時に商品毎の販売価格を調整の上で受注とする業務シーンがあるとします。

複数商品があった場合、それぞれの商談商品の詳細画面をひとつひとつ開いて販売価格を調整しながら、商談全体の金額を確認するという作業が発生します。
「どれどれ、商談全体の金額はお客さまの予算感とあったかな?あれ?1,000円多い?
もう1回商談商品開いて・・・」という往復が発生します。

不可能ではないですが、システム操作としては時間を要します。
日々複数の商談を処理するオペレータさんとしては、「なんとかならないの」とも言いたくなりますよね。今までExcelやスプレッドシートなどで商品管理していたお客さまとしては商品を一覧形式で並べて、上の行と下の行を見比べながら編集したいものです。

List Editorを設定してみよう!

そこで出会ったのが今回ご紹介する「ListEditor」。 こちらはEE以上のエディションであることや一部機能制限がありますが、 AppExchangeにFreeで提供されています。
https://appexchange.salesforce.com/appxListingDetail?listingId=a0N3u00000PFXi6EAH

インストール方法は他のAppExchangeと同じなので割愛しますが、ごく手軽にインストール可能です。
ただいきなり本番ではなく、Sandboxや無償のDeveloper環境などで試してから使用開始をおススメします。
私もまずはDeveloper環境にインストールしました。

インストールに成功すると「インストール済みパッケージ」に表示されます。

image.png

インストールを確認したらいよいよSalesforceの画面に適用します。
今回は商談に商談商品の情報を表示してみましょう。

image.png

画面への表示は商談Lightningページから実施します。
歯車マーク→編集ページ

そうすると、左下の「カスタム-管理」のなかにインストールした「List Editor」があるので、これを画面上の好きなところにドラッグします。

③2.png

はいりましたね。今はデフォルトなのか、「取引先」が設定されているので、「商談商品」に書き換えます。

④2.png

設定は右側の設定画面より実施します。
今回はオブジェクト名(Object Api Name)、項目名(Display Fields)を編集しました。
API参照名で入れる必要があるので、あらかじめオブジェクトマネージャーからAPI参照名をメモっておきましょう!

image.png

他の設定もありますが、このあたりはAppExchangeにインストールマニュアルがあるのでこちらをご参照ください。
(項目のデフォルト値なんかも設定可能です。この場合はJSON形式で設定が必要。)

そして保存すると・・・

⑤2.png

ほら、出てきました。超簡単!

List Editorを使ってみよう!

では、使ってみましょう。

⑥2.png

編集する場合は鉛筆マークをクリックします。

image.png

商品の販売価格を変更しSaveしてみます。

image.png

反映しました!商談の金額も自動で反映されています。(これは標準機能ですが)

⑦2.png

商品の販売会社との価格交渉などもあるかと思いますので、交渉が終わっているかどうかのフラグも入れてみました。
こうしたチェックなども一覧上でできるわけです。

⑧2.png

課題

ListEditorはこのように紐づく明細レコードを一覧形式で編集する場合は非常に便利で、お客さまの業務効率化につながる点は大変メリットかと思います。

しかしながら、やはり課題もあり、本アプリは公式サポート対象外になるので、この点はお客さまにご留意いただきながら業務効率化との兼ね合いで導入を検討する必要があります。

できれば、今後の改定でSalesforceの標準機能として搭載される日がくればよいのですが・・・。