Google Cloud Next ’23 in San Francisco 参加報告
エヌデーデー関口です。
2023年8月29日〜8月31日にかけて、アメリカ、サンフランシスコで4年ぶりに現地開催となったGoogle Cloud Next ’23に参加してきました。
4年ぶりとは言いましたが、私自身はCloud Nextに現地参加するのも、渡米するのも初めてということで、不安と期待の入り混じった旅の記録となっております。最後までお付き合いいただければ幸いです。
Cloud Next とは?
Cloud NextはGoogle Cloudの年次イベントで、Google CloudとGoogle Workspaceに関する最新リリース情報や、様々な事例、スポンサー企業のブース出展、開発者コミュニティの集いなどがあるグローバルイベントです。
昨年まではCOVID-19の影響でオンラインだけの開催だったのですが、今年は4年ぶりにサンフランシスコのMoscone Centerでオフラインとオンラインの同時開催となりました。
Cloud Next ’23参加まで
以前の記事で私がGoogle Cloudが好きだ、ということを書いたのですが、Google Cloudの公式エンタープライズユーザー会Jagu’e’rでのコミュニティの方との会話の中で「そういえば今年Cloud Nextが久しぶりに現地開催されるけど行きます?」というような話題があり「結構行く人多いんだなぁ・・・ウチの会社どうだろ?ダメ元で頼んでみようか?」と思ったのがキッカケです。
その結果、上にお願いしたところ「おう、行って来い、勉強してきなよ」というありがたい返事をいただき、即日手続きをしてしまいました。(太っ腹!と持ち上げておきますw)
一応、Jagu’e’rでの活動や資格取得やブログ記事などの活動を認められたんでしょうかね?
サンフランシスコでの諸事情などは弊社塚田が書いているこちらの記事も参考になりますので御覧ください。
日程
今回、次のような日程で参加しました。
- 2023年8月28日(JST) 夕方出国
- 2023年8月28日(PDT) 昼現地着
- 2023年8月29日〜2023年8月31日(PDT) Cloud Next ’23 @ San Franciscoe Moscone Center
- 2023年9月1日(PDT) 昼現地発
- 2023年9月2日(JST) 夕方帰国
なお、JSTとPDTでは16時間の時差があります。現地にいるときは、現地時間に16を足すのですが、それよりは8を引くという方がわかりやすいです。
個人的には日本の活動時間と現地の活動時間を考慮して次のように覚えておくことで、日本にいる家族や仕事仲間との連絡タイミングの目安になりました。(要するに現地の夕方からが日本の朝ということです)
- SF 午後4時 : 日本 午前8時
- SF 午後6時 : 日本 午前10時
- SF 午後10時 : 日本 午後4時
現地での過ごし方など
持っていったもの
旅行記みたいなものとして少しお付き合いください。
私が持っていったもので足りたのか足りなかったのか?というものを挙げるとつぎのような感じです。
着替え
4泊だったので、当たり前ですがその分の着替えを持っていきます。
8月末の日本はまだまだ暑い日が続いていましたが、サンフランシスコは最高でも25℃ほど、朝晩は上がっても15℃と冷えます。そこで、つぎのような構成にしていました。
- Tシャツ: 4着(日が照ると汗ばむくらいになるので、日中はこの方がいいです)
- 長袖Tシャツ: 1着。寒いかも?と思ったらこれです。実際SFを出発する日は曇り空で15℃弱ということもあり、助かりました
- 薄手フーディ: 1着。不要でしたね。薄手だと寒いので、これだったら次の厚手フーディ1着の方がいい
- 厚手フーディ: 1着。最重要!Google Cloud資格認定者が選べる景品のひとつなんですが大活躍でした。会場で資格取得者だと認知されやすいし、朝晩は冷えるのでこれがあると寒くない
- ジョガーパンツ: 3着。オフィシャルなところに行かないのであれば、動きやすいので一番いいような気がします。なにげにベルトいらないというのは荷物が減るのと、搭乗時の身体検査の煩わしさがへります。まあ、毎日着替える必要もないので、気にならない人は2着とかでもいいかと
- スニーカー: 2足。これまたオフィシャルなところに行かないのならばって感じです。毎日履くと蒸れるので交互に履きました
- 下着、靴下: 5着。汚れる可能性もあるので念のため多めに。(現地で調達もできますけど)
電子機器
- スマホ: いわずもがな。写真も取りますしね
- 充電器・各種ケーブル: 同上。アメリカは充電の形状は日本と同じなので、そのまま持って行っても特に問題ありません
- モバイルバッテリー: 会場で充電もできなくはないですが、来場者の多くがコンセント(アウトレット)を使ってたりするので、やっぱりあったほうがいいです
- ノートPC: 私は軽めのChromebookを持っていきました。会場で書き物や調べ物をするのであれば必要ですね。スマホに慣れている人ならいらないかも?(日本の仕事が気になる人は必要ですね)
- モバイルWifi: 実は微妙なのがこれです。おそらく3大キャリアのスマホの人はローミングすれば、あまり気することなくUSAでは使えちゃいますし、会場はもちろんホテルにもWifiがあることが多いのですよね。でも、公共のWifiにつなぐの嫌だなあという場合もあるから、いるっちゃいるし・・・という感じです。すくなくとも大容量のプランは不要かもしれません
その他
- 現金(ドル): いりません!いくらかは両替していったのですが、結局1ドルたりとも使っていません。乗り物も食事もチップすらもすべてクレジットカードで決済できます。日本もキャッシュレス決済が進んできていますが、その比ではないくらい使いません
- 水筒: おそらくあると便利です。私はホテルが毎日市販のミネラルウォーターのボトルをチャージしてくれたので、それを携帯していきました。日本みたいに自販機やコンビニがあるわけではないので、水飲み場があったらチャージしておくほうがいいですね。ちなみに、下は参加者に配られるウォーターボトルです。イベント会場でウォーターサーバーで水をチャージして携帯している人もいました。
食事
前述の塚田の記事にもあるのですが、お店はいろいろあるので、それほど困らない・・・と思いきや、意外と「朝食どうするの?」という問題に毎朝悩みました。
初日は結局食べずじまい。2日目、3日目は結局イベント会場のパートナー専用スペースでコーヒーと軽食が振る舞われていたので、それを食べていました。(結構そんな人多いみたい)
ホテルから会場までだと、カフェ・・・スタバ?くらいしか見つけられていなくてですね・・・スタバ混んでるし・・・う〜ん、という感じでした。次に行くときはきちんと下調べしておこうかなと思います。
ちなみに、ホテルの朝食はどうなの?という声も聞こえてきそうですが、インフレと円安の影響でしょうか、知り合った日本人の方に伺ったところ、大したメニューでもないのに日本円で3000円とかいう値段だったそうで・・・食べなくてよかった・・・
ランチはGoogleさんがイベント会場で配ってくれます。会場にある公園などでテントの下や芝生の上でそれぞれランチを取ります。だから、ぼっちメシだって怖くない!
夕食はそこそこのレストランに行くと、インフレな感じはないと思います。なぜなら元々それなりの値段がするからです。そういうところに行けば、美味しいしサービスもいいし、こんなもんだな!と満足できます。中途半端にファストフードとかで済ませようとすると、たっけーな!と思っちゃうので。
ちなみに、知り合いの方に招待されて、サンフランシスコならここのカニ料理だよ!というところに連れて行ってもらいまして、絶品でした、ハイ。日本人の中では有名な店らしく、私が行った日はおそらくお店の7割くらいは日本人のGoogle Cloud関係の企業の方々で埋まっていました。実際「ああ、どうもどうも〜」というようなやり取りがありましたので。
治安
日中、イベント会場 (Moscone Center) 周辺のストリートは特に気を張ることもなく安全です。塚田の記事にもあるとおり、特定のストリートは行ってはいけないということだったので避けましたが、ホテル宿泊中はほぼ毎日夜になると銃声が聞こえる感じでした。後で聞いたのですが銃撃戦があったらしいです。
公共交通機関(バス、路面電車、地下鉄など)もそれほど気にしなくても日中は大丈夫でした。
会場の様子
フロア紹介
今回のCloud NextはMoscone CenterのSouth, Northそして隣接するBlue Shield of California Theater at YBCAを主な会場として利用されていました。
Southが一番大きな会場で、地下1階がGoogle Cloudやスポンサー企業のブース出展、Innovators Hiveという技術者向けコミュニティの会場となっており、 地下1階、中2階、2階には多くのセッション会場があって同時間帯に数多くのセッションが開かれていました。
SouthとNorthは、地下でつながっていてNorthにはパートナー向けのラウンジやGoogle Cloudの顧客向けの打合せブースがあるほか、Keynoteが開かれる最大の会場にも行けるようになっていました。
Innovators Hive
Innovators Hiveというコーナーは、開発者向けに開放されたコーナーで、Google Cloudのエンジニア達に質問したり、クイズコーナーではGoogle Cloudに関するクイズにチャレンジしてバッジをもらえたり、申込制ではありますが、最新技術に関するハンズオンセミナーを受けられたりします。
その一角にはChampions & Certified Loungeというラウンジがあり、Google Cloud Champion Innovatorと呼ばれる人、または認定資格保有者だけが入れるラウンジがあります。私も一応全資格を保有していますが、資格の数によって何か変わるかというと特にそういうことはありません。あしからず。
ここではラウンジだけの特別なセッションのほか、軽食やコーヒーもあり、ソファでくつろぐ事もできますし、写真を取るスペースもあります。
また、ここを訪れると認定者だけがもらえるワッペンもあります。
展示ブースの様子
展示ブースはほとんどがスポンサー企業のブースで、中央部分にGoogle Cloud ShowcaseとしてGoogle Cloudが発表した最新の技術を使った紹介や、Google Cloudとユーザー企業とコラボレートしたブースなどがありました。
Google Cloud Showcaseは、AIを使うと開発もデータ分析もセキュリティも強化されるという紹介が強く押し出されているものでした。
ユーザーとのコラボブースでは、Wendy’sがドライブスルーを模したブースで、音声での注文をAIで聞き取ってできますだとか、MLBのブースではスイングを分析してMLBのどの選手のバッティングフォームに近いか?などおもしろい展示も見られました。
スポンサーブースでは、様々な趣向を凝らしたものもあり、写真にあるように昔懐かしいゲームが展示してあったり、F1のゲームを体験できたり、おもちゃのドル紙幣が風で舞うボックスに入って、何枚取れるかチャレンジするというようなゲームもありました。
でも、そんな中で個人的に一番気に入っていたのは子犬ふれあいコーナー!とにかくかわいい子犬たちが柵の中でワチャワチャしていて、なでたり抱いたりできました。
セッションや会場廻りに疲れたなあと思ったら、ここに来てニヤニヤすると良い癒やしの時間になりました。(もちろん、子犬たちにはストレスが掛からないように配慮されていましたのでご安心を)
AI,AI,AI!
既にニュースサイトや各社のブログなどでも取り上げられていますが、今回のCloud Nextは最初から最後までとにかくAIでした。
初日KeynoteのSundar Pichai、Thomas Kurianの発表から始まり、二日目のDevelopers向けKeynoteでもPaLM 2やDuet AIを使った開発やサービスの進化を取り上げていたのは当然として、その他の開発環境やDB、アーキテクチャなどの各セッションでもAIが何かしら変化をもたらすという感じのセッションが大多数という印象でした。
いくつか私が参加したセッションを紹介します。
PostgreSQL the way only Google can deliver it: A deep dive into AlloyDB
こちらはAlloyDBの紹介セッションです・・・が、最後にAlloyDB AIが紹介されます。AIを使うことでAlloyDBがもっと良くなるぞ!という事です。
What’s new with PaLM 2: Reimagine what’s possible with Vertex AI
こちらはスライドだけですがGenerative AI StudioやPaLM 2におけるグラウンディングについての紹介がありました。グラウンディングはAIがもっともらしい嘘をついてしまうという現象(幻覚:ハルシネーションと呼ばれる)を防止するために、外部の情報を元により現実に近い回答を行うための技術です。
グラウンディングが利用できることで、各社が持つ特有の情報について正確にAIに問い合わせるということが可能となります。
Conversational AI experiences with Gen App Builder
こちらはGen App Builderを使ってどのようにアプリが作れるのか?というデモが見られます。
途中で電話での問い合わせに対応するAIが登場するのですが、人間と変わらない受け答えをしているので驚きます。よく聞くと、途中で「う~ん・・・」という考えるような相づち入れたりしてます。
Next-generation data analytics with BigQuery and PaLM
こちらはKeynoteでも発表されていたBigQuery Studio(preview)の紹介です。BigQueryの機能とVertex AIの機能が融合して利用できるようになっています。
BigQuery Studio内でJupyter notebookが利用できて、BigQueryのデータを利用するためのライブラリも提供されるという方法の他、BigQueryで発行するクエリに対してLLMの結果を問い合わせるというデモも見せてくれます。
例えば「What is a good Python package for working with embeddings BigQuery」というテキストが入ったレコードに対して、SELECT文でPaLM 2のモデルを関数的に噛ませると自然言語として答えてくれるとか、確かにSELECT文なのでSQLのようではあるけれども、もはやSQLなのか?という機能もつくづくすごいなとしか表現できないです。
まとめ
まとめ、というかとりあえずイベントに参加した雰囲気をお伝えしました。とにかくAIに驚いた!熱気に刺激受けた!異国の地を楽しめた!という感じです。
なお、サンフランシスコの紹介も散々しておきながら、来年のCloud Next ’24は2024年4月9日から11日にかけてLas Vegasで開催です。次の開催までの期間が短いですね・・・たくさん発表することがあるんでしょうか?
今回紹介されていた新機能を試してみた結果などはいずれまたこのブログでご紹介したいと思います。